矯正歯科における固定源(アンカースクリュー)について
アンカースクリューの詳細
アンカースクリューとは、歯科矯正治療において、歯を動かすための絶対的な固定源として
顎の骨に埋め込む小さなネジ状の金属製の装置です。
チタン製が一般的で、直径1.2~2.3mm、長さ6~12mm程度のものを使用します。
矯正用インプラントやミニインプラント、ミニスクリューやTADsなどともいわれることがあります。
アンカースクリューを使用するメリット
- 歯を効率的に動かせる:従来の矯正装置では、歯に直接力を加えて動かしていましたが、アンカースクリューを使用することで、
顎の骨を固定源として歯を動かすことができるため、より効率的に歯を動かすことができます。 - 抜歯を回避できる場合がある:歯列矯正では、歯並びを改善するために歯を抜くことが必要となる場合がありますが、
アンカースクリューを使用することで、歯を動かすスペースを確保できるため、抜歯を回避できる場合もあります。 - 治療期間を短縮できる:歯を効率的に動かすことができるため、従来の矯正装置よりも治療期間を短縮できる可能性があります。
- 複雑な歯の移動が可能:従来の矯正装置では難しかった、遠心移動や圧下などの複雑な歯の移動も可能になります。
アンカースクリューを使用するデメリット
- 痛みや違和感がある:アンカースクリューを埋め込む際に痛みを感じることがあり、
埋め込んだ後も数日間は痛みや違和感を感じる場合があります。 - 感染症のリスクがある:滅菌を徹底していても、まれに感染症を起こすことがあります。
- 歯肉や歯槽骨の炎症:アンカースクリュー周囲の歯肉や歯槽骨に炎症を起こすことがあります。
- 装置が目立つ:場合によっては、アンカースクリューが口元から見えることがあります。
アンカースクリューの費用
当院は総額料金に含まれていますので追加の費用はありませんが、
一般的にはアンカースクリューの費用は1本あたりおよそ2万円~5万円程度です。
アンカースクリューが適用されるケース
- 重度の叢生(そうせい)
- 前突歯(ぜんとつし) *反対咬合(はんたいこうごう)
- 開咬(かいこう)
- 過剰歯
- 歯の欠損
- 外科矯正と併用する場合
アンカースクリューの処置の流れ
- 局所麻酔を行い、アンカースクリューを埋め込みます。
- 歯のブラケットや装置をゴムやワイヤーでアンカースクリューと繋ぎます。
- 定期的に通院し、調整を行います。
- 治療が完了したら、アンカースクリューを抜去します。
アンカースクリューに関する注意点
- アンカースクリューを埋め込んだ後は、丁寧な口腔ケアを行い、感染症を防ぐ必要があります。
- 定期的に歯科医院に通院し、ワイヤーの調整やアンカースクリューの状態をチェックしてもらう必要があります。
- 骨や口腔内の状況によってはアンカースクリューが脱落し、再度埋入が必要になります。
繰り返し脱落する場合は異なる装置を使う可能性があります。
まとめ
アンカースクリューは、歯科矯正治療において有効な装置ですが、メリットとデメリットを理解した上で、
歯科医と相談しながら治療を受けることが大切です。